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B型肝炎訴訟について(弁護士 久保山 博充)

  • 2014.1.15

平成26年のコラム第1弾となります。
今年もよろしくお願いいたします。

私は,現在,全国B型肝炎訴訟宮崎弁護団の事務局長をしております(B型肝炎訴訟については別ページの案内をご覧下さい)。  →  B型肝炎に関するお知らせ
B型肝炎にかかる原因はいろいろと考えられますが,一過性の感染にとどまらないB型肝炎ウイルスキャリアの方の場合,その原因としては,母子感染でなければかなりの確率で「集団予防接種」であると考えられ,国からの給付金支給の対象となります。

さて,私が関わった,とある民事事件の依頼者さん。この方は,非常に金額の低い,それでいて困難な裁判を依頼されており,しかも仮にその裁判に勝ったとしても,ご自身は現在病気で働けないため,その後も経済的に苦しい生活を強いられることになる,という非常に厳しい生活状況でした。
しかし,よくよく話を聞いてみると,この方の病名はB型肝炎(重度肝硬変)でした。病院からはおそらく母子感染だろうと言われたとのことでしたが,ダメ元でお母さんの血液検査をしてもらったところ,なんと,母子感染が否定されることになりました。
現在,この方は,重度肝硬変での和解(和解後の給付金額約3600万円)に向けて提訴しております。ご本人としては全く思いもよらない方向で,生活状況の改善を目指すことができるわけです。

B型肝炎ウイルスキャリアの方は全国で約140万人と言われておりますが,そのうち集団予防接種が原因の方が,40万人はいると推定されております。
皆さんも,人ごとだと思わずに,ぜひ一度,各地の保健所(参考HPhttp://www.kanen.jp.net/exa_45miyazaki.html)で実施している無料の肝炎検査をお受けいただきたいと思います。