顧問契約のおすすめ

顧問契約とは
日常的、継続的に弁護士とお付き合いいただく方法が顧問弁護士の制度です。

顧問弁護士制度について、(質問)Qアンド(答え)A方式で説明しましよう。


顧問契約の一番のメリット(利点)は何ですか。
顧問弁護士には、いつでも自由に原則として無料で相談できます(但、時間の予約が必要です)。

そこで、トラブルの発生を未然に防ぎ、また、仮にトラブルが発生した場合でも、早期に対応することで、よりよい解決を図ることができます。
そして、ひいては、そのような体制があることで、安心して事業や生活に打ち込むことができる点が一番のメリットといえます。

「トラブル」を未然に防ぐというのは、具体的にどういうことでしょうか。
トラブルが起こるには必ず原因があります。
一番よくあることが、取引の際の契約書がなかったり、不備であったりすることです。それなら、重要な契約の際に、予め法律的な点を検討し、しっかりした契約書、その他の文書を作成しておけば、トラブルはかなり防げることになります。
また、交通事故などは、いくら注意しても起こる場合があります。
更に、取引の際、暴力団や事件屋などのいわゆる民事介入暴力事件に巻き込まれることもあります。このようなトラブルについては、予め、基本的な対応の仕方を勉強しておくだけでも、いざというときにより的確な対応ができるものです。
更に、自分の身の回りで、トラブルの原因となるものはないかという目で点検することも重要です。
こうした契約書の作成をはじめ、トラブル予防のための勉強や点検等も、顧問弁護士との日常的、継続的な相談等でかなりカバーできるのです。
トラブルが発生した場合の早期対応とは、具体的にどのようなことですか。
例えば、取引先が倒産しかけて、一部の債権者と通某して財産隠しを図ろうとしているらしいという情報が入ったとします。こんな場合は、売掛債権回収のためにゆっくり裁判をしていたのでは、たとえ裁判で勝訴判決を得ても、もはや、債務者の財産はなく、判決は紙屑同然になってしまいます。
そこで、仮処分、仮差押といった保全処分の制度があるのですが、時間が遅れないようにするのが一番のポイントです。
そのためには、日常的に気軽に相談にのれる顧問弁護士が役に立つのです。情報を早目に弁護士の耳に入れておけば、いざというときにタイミングを逃すことが少なくなります。
また、トラブルが発生したときには、原因、相手方の立場、考えていること、解決の方向を冷静に分析して、賢く対応することが重要です。
この点でも、顧問弁護士との日常的な相談によって、早い段階での適切な対応が可能となります。
顧問弁護士は、実際にはどのような仕事をするのですか。
顧問弁護士がどのような仕事をするのかについては、弁護士と、それぞれの依頼者との間の具体的な契約によって決まります。
一段的に言えば、法律相談、契約書、その他の文書作成、トラブルについての相手方との交渉、裁判等です。
法律相談についていえば、相談したいことがあれば、いつでも、その都度、電話または面会して顧問弁護士と相談することができます。
また、定期的に年2~3回はゆっくり時間をかけて、事業の現状や心配な点などについて、まとまった相談をすることが考えられます。
その他、相談の結果、実際に依頼を引き受けて文書を作成したり、代理人として交渉や裁判をすることが考えられます。
また、場合によっては、福利厚生事業として、社員に対する法律相談を行ったり、経営者ないし幹部の研修として、法律問題を中心に広く、時事、経営、労使のあり方などについての講演をさせていただくなどのことも考えられます。
そのために、弁護士自身も、わかりやすく、ためになり、そして、面白いお話ができるよう、一層、研讃を積んでいきたいと考えでいます。
いずれにしろ、顧問契約を結ぶ際に、事業の内容と規模、希望などに応じて、弁護士と協議して決めることになります。
顧問弁護士の重要性はよくわかりましたが、顧問料その他の弁護士費用が高くつくのではないかと心配ですが…。
弁護士費用については、顧問料も含めて、各法律事務所に弁護士報酬等に関する規定があり、その規定に沿って、弁護士とそれぞれの依頼者が協議して具体的に取り決めます。
当事務所の規定によれば、事業活動を営む者(営利、非営利を問わず)の場合は月額5万円以上、それ以外の者の場合は、月額5,000円以上とされていますが、事業の規模や内容等によってこれを増減させることができるとされています。それぞれの依頼者について具体的に協議したうえで、顧問料について合意し、契約することになります。
この顧問料をお支払いいただければ、法律相談については何回行なっても無料です。法律相談を越えて、文書作成、交渉、裁判などを、依頼を受けて行なう場合の費用は顧問料に含まれず、別途必要ですが、その場合は、それぞれについての弁護士報酬等に関する規定を減額した費用をいただくようにしたいと考えています。
このように、顧問弁護士制度を経済的な面から考えるなら、定期的に、一定額の顧問料を支払うことによって、随時、何回でも無料で法律相談を受けることができ、また、そのことによってトラブルを未然に防ぎ、トラブルによる出費を少なくするとともに、万が一、トラブルが発生した場合でも、顧問弁護士でない場合の弁護士費用と比べてよりやすい費用で弁護士に依頼することができる点にメリットがあります。
このように、現在、顧問弁護士の制度は、トラブル及びこれに関する出費を回避するという、どちらかというと消極的な意味合いを持っていますが、これからは、こうした意味合いとともに、従業員、構成員の福利厚生、経営乃至運営についての経営者及び幹部の研修など、より積極的なものをも実現していけたらと考えています。