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宮崎県弁護士会の委員会活動について(弁護士 新福 宏)

  • 2022.12.21

宮崎県弁護士会の委員会活動についてご紹介したいと思います。
委員会活動ってなに?と思われるかもしれません。
委員会活動とは,弁護士が集まって基本的人権を擁護し社会正義を実現するために行っている活動のことです。そのうちほとんどが弁護士の手弁当で,無償で活動しています。
今回は,私が宮崎県弁護士会副会長として担当している5つの委員会についてご紹介します(令和4年時点)。

①刑事弁護委員会
刑事ドラマで法廷モノを扱うことが増えてきて,皆様もテレビなどで見たことがあるかと思います。
殺人,強盗,傷害,恐喝などなど,刑事事件と聞くと物騒で怖いイメージがあると思います。私たち弁護士は,犯罪に及んだと疑われている被疑者・被告人に寄り添って弁護活動をしています。
その中の1つに「当番弁護」があります。逮捕された人をすぐに支援できるよう弁護士を派遣する制度です。もし逮捕されたら,当番弁護士を要請してくださいね。
誤解されがちですが,必ず無罪と主張するわけではありません。事実を認めて反省している被疑者の代わりに被害者と示談をしたり,被疑者の社会復帰をお手伝いしたりもしています。
他にも,刑事裁判手続の改善のために活動したり,法改正に対応するための勉強会・研修会をしたり・・・と様々な活動があります。
なお,現実の法廷では,大声で「異議あり!」とはあまり言いません。

②犯罪被害者支援委員会
刑事弁護委員会が犯罪に及んだと疑われている人たちに寄り添うのに対し,被害者支援委員会では,肉体的精神的経済的に大変つらい思いをしている犯罪被害者たちに寄り添う活動をしています。
宮崎には犯罪被害者支援センターがあり,連携して活動をしています。主に,被害者からの法律相談を受けたり,犯罪者(あるいはその弁護人)と交渉をしたり,裁判を傍聴する被害者に付き添ったり,というような活動をしています。
最近でいうと,宮崎県犯罪被害者等支援条例が施行されましたが,その条例成立にも関わっています。

③研修委員会
法律は,めまぐるしく変わっていく世の中において,新しく作られたり,改正されたりします。弁護士は,あらゆる問題に対して皆様のお力になれるよう,様々な研修を受け,日々研鑽に努めています。
研修委員会では,研修会を企画・実施し,弁護士や法律事務職員等が法令及び法律事務に精通するのを手助けしています。
また裁判官や裁判所書記官を招いて研修会を実施することもあります。

④法教育委員会
法教育という言葉はあまり耳慣れないかもしれません。
法律を勉強するの?難しそう!と思うかもしれませんが,そういうことではありません。
法教育とは,法的な物の見方・考え方を学ぶことを通じて,主体的に考える力や公正に判断する力を身につけるための教育をいいます。
法教育委員会では,法教育を広めるため,中学生・高校生を対象としたジュニアロースクールを開催したり,学校に出向いて授業を行う出張授業等の活動を行ったりしています。
中高生のお子さんがいらっしゃる方,ぜひジュニアロースクールに参加してみませんか!

⑤司法修習委員会
弁護士になるためには司法試験に合格しないといけない,というのは広く知られていますが,司法修習生についてはあまり知られていないように思います。
司法修習生とは,司法試験に合格した後,約1年間研修をしている人のことです。裁判所,検察庁,弁護士会で研修をし,修了試験に合格した後,晴れて裁判官,検察官,弁護士になります。
そして,司法修習委員会では,司法修習生に対する指導・支援を行っています。
なお,私は,この司法修習生として初めて宮崎に来て,今いる事務所で研修を行ったことがきっかけで,宮崎で働いています。

以上5つの委員会についてご説明しましたが,まだまだ他にも委員会はたくさんあります。
皆様の身近なところでは,無料相談会を開いたり,電話相談会をしたり,シンポジウムを開いたり,といった様々な活動を行っています。
少しでも弁護士の活動に興味を持っていただけたら幸いです。