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弁護士を目指す方へ(弁護士 新福 宏)

  • 2013.7.10

今回は,弁護士になりたい!という人に向けて(弁護士になりたいわけじゃないけどちょっと知ってみたい!という方にも),司法試験合格後から弁護士になるまでの話を少しご紹介したいと思います。
弁護士になるためには司法試験に合格しないといけない,というのはみなさんご存知のことと思います。
なお,日本では,裁判官や検察官になるのも同じ司法試験の合格が必要です。意外とご存知ない方も多いようです。

さて,弁護士になるまでですが,司法試験に合格した後に,司法修習というものがあります。
これは,最高裁判所に所属し,裁判所職員と同じような身分(守秘義務などが課されます)に就き,研修をするものです。
場所は,日本全国の裁判所があるところで,希望は出せますが,希望どおりの場所になるとは限りません(東京が一番人気です)。
研修の内容としては,裁判所,検察庁,弁護士事務所に通い,実際の事件に触れながら裁判官,検察官,弁護士のそれぞれの仕事を勉強させてもらいます。
今では,約10か月という短い期間で研修を終えます(以前は2年間でした)。
私は,この司法修習で初めて宮崎に来ました。なお,私は,当事務所が修習の弁護士事務所で,その縁で現在勤務しております。不思議なものですね。
その後,日本各地に散らばっていた司法修習生は,埼玉県の司法研修所に集合し,司法修習の修了試験を受けます。それにも合格した後にやっと裁判官,検察官,弁護士として働くことになります。
したがって,裁判官,検察官,弁護士と立場は分かれていますが,皆同じように研修を経て,各々の立場や仕事内容を理解し,身につけているのです。

修了試験に合格すれば,晴れて弁護士として活動できるわけですが,いきなり自力で事務所を開設するのは大変です。
そのため,既存の法律事務所に就職して,弁護士として働きながら給料を得ることが多いのです。そのような弁護士は,「勤務弁護士」「イソ弁(居候弁護士の略)」などと呼ばれています(私もこの立場です)。
ただ,弁護士の数が急増している現在では就職が難しく,すぐに独立して事務所を開設する弁護士が増えているそうです(即座に独立するため「ソクドク」などと呼ばれています)。
司法修習についてのドラマも以前に放送されたこともありましたが,まだあまり知られていないようです。裁判官,検察官,弁護士にくっついて回る若者がいたら,もしかしたら司法修習生かもしれません。
未来の法曹として研修している立場ですので,温かく見守っていただけたら幸いです。